肖像画はカンバスに油絵で描かれており、1770年にヴェネツィア共和国の官僚であったピエトロ・ルジャチの依頼によるとされる。肖像画では、赤いフロックコートを身に着け白いカツラを被った13歳のモーツァルトが、スコアを前にハープシコードを弾いている様子が描かれている。
オークションハウス「クリスティーズ」の代表によれば、肖像画に描かれた当時、モーツァルトの個性はまだ確立されていなかった。
この肖像画の特徴は、モーツアルトの前に置かれた音楽作品がヴェローナのアレグロ、「KV72a in G Major」だということ。専門家の評価では、これは偉大な音楽家の初期の失われた作品の可能性があるという。
肖像画は1788年に亡くなるまでピエトロ・ルジャチのところで保管され、その後、この作品はベローナのフィルハーモニー・アカデミーに所有が移された。指揮者でピアニストのアルフレッド・コルトーのプライベートコレクションからオークションハウス「クリスティーズ」に肖像画が出展された。同肖像画はコルトーの家族のもとで1962年から保管がされていた。
当初、オークションハウスの予想は、肖像画は80万~120万ユーロで落札されるというものだった。
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