過去のシーズンを席巻してきたザギトワの成績が今シーズン悪化したのはまず、今までジュニアだったエテリ・トゥトベリーゼ監督門下のスーパートリオがシニアへと上がってきたのが理由だ。それは4回転ジャンプを会得したアレクサンドラ・トルソワ選手とアンナ・シェルバコワ選手、トリプルアクセルを武器とするアリョーナ・コストルナヤ選手の3人。
ザギトワはGPシリーズのフランス大会、NHK杯で好成績を収めたが、芸術的で質の高い、滑らかなスケーティングだけでは、若い選手らを凌駕するには不十分だ。なぜなら、若い選手らのジャンプのコンビネーションの方がはるかに難易度が高く、それがゆえに高得点を獲得できるからだ。 エフゲニア・メドベージェワ選手もザギトワと似たような状況に陥った。こちらのほうは、演技にミスはなく、また、一部の専門家やファンによると、難しいジャンプが跳べる若い選手の演技内容よりメドベージェワの方が興味深いものだったかかわらず、GPファイナルの出場資格は得られなかった。
先日、アイスダンス五輪金メダリストのロマン・コストマロフ氏から、ザギトワは引退すべきという発言が出た。コストマロフ氏は、ザギトワにはハイレベルの戦いを続ける能力がないとみなしており、メドベージェワについても選手キャリアを終えたほうがいいと進言した。
また、ナフカ氏は、1位を保持できないがために、ザギトワにこの先、大きな災難が降りかかるとは考えていない。
「いずれにしても、ザギトワは今大人の体型に変化しているところです。メドベージェワはすでにこの段階を終えていますが、ザギトワは今、その真っ只中にいます。私たちは、ザギトワがより女性らしくなったと感じています。2018年の平昌五輪でザギトワは少女でしたが、今は美しい女性です。もちろん、言うまでもなく、今はザギトワにとって難しい時期ですが、この先、どうなるか見てみましょう。しかし、今現在ザギトワは世界で最も偉大なフィギュア選手で、オリンピックチャンピオンです。たった17歳なんですよ。まだまだ人生は始まったばかりです。これからどれだけ多くの可能性の扉を開いていくことでしょうか。」
いよいよ5日、イタリアのトリノでGPファイナルが開幕する。ザギトワは女子シングル6選手のうちの1人として出場し、トルソワ、シェルバコワ、コストルナヤ、米国のブレイディ・テネル選手、紀平と対戦する。