北磁極は、どのコンパスの矢印でも示される条件付きポイント。このポイントは絶えず動いており、年間約10キロメートル移動する。何世紀にも渡り多島海にある多くの島々に存在した北磁極がシベリアへ移動しても、研究者たちは驚かなかった。この地点の移動速度の急激な増加は、年間10~55キロメートルとなっている。
地球の磁極は、ナビゲーションシステム全体を規定する。わずかな中心磁気の変更でも、磁界モデルの更新が必要。そうしないとグローバルシステムのWi-Fiマルチメディアが機能しなくなる。
ここ数年までは磁極の移動速度は割合遅かったため、研究者らはその正確な位置を世界磁気モデル(World Magnetic Model)をもとに追跡することができた。このモデルは5年に1度 更新されていた。
世界磁気モデルは先週、かつてない移動の加速を考慮して更新されている。
不安定な北磁極
地球の歴史では数十万年単位で磁極の位置は変化し続けている。今日、学界が憂慮しているのは北磁極の移動する速度がこれだけはやまっている場合、人類はこれに前もって対処することができるのか、という点だ。