米国の通信衛星 宇宙で爆発の恐れ

米国の通信衛星「Spaceway-1」は、搭載バッテリーの損傷により軌道上で爆発を起こす恐れがある。宇宙産業専門ニュースサイト「spacenews.com」が報じた。
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2005年、同通信衛星は、海上発射ロケット打ち上げシステム「シーローンチ計画」の一環でロシア・ウクライナの打ち上げロケット「ゼニット3SL」によって打ち上げられた。製造を担当したのは米航空宇宙機器大手ボーイング社で稼働年数は12年を予定していた。

同ニュースサイトは、「Spaceway-1」が搭載バッテリーの破損で爆発することを恐れた衛星放送のディレクTVが、衛星を静止軌道から急きょ、移動させようとしていると報じている。静止軌道(円軌道)とは、高度3万5786kmで運用される多くの通信、放送、データ中継衛生が位置する軌道。

同通信衛星は、静止軌道より300 km高い墓場軌道に打ち上げられる予定だ。墓場軌道には、役割を終えた人工衛星が周回している。

ディレクTVが連邦通信委員会(FCC)に報告したところによると、バッテリーは12月に損傷した。さらにボーイング社は、損傷したバッテリーが「Spaceway-1」の爆発を引き起こしかねないと考えている。

現在、「Spaceway-1」は太陽に照らされる位置にいるため、太陽光パネルからの電力だけに頼って稼働している。しかし、2月末には同衛星が地球の影に位置する頃には損傷したバッテリーを駆動させなければならない。

また、FCCの規則では、搭載燃料による爆発を回避するために、衛星は廃棄までに搭載燃料を全て排出しなければならない。しかし、「Spaceway-1」の燃料廃棄は実現不可能だという。

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