新型コロナウイルスをはじめて通報した医師 当初「嘘のうわさ」と批判される

2019年12月初旬、武漢市の眼科医のリ・ウェンヤン医師は、重症急性呼吸器症候群(SARS)に似たウイルスに感染した患者らが出現したことについて、同僚の医師らにはじめて語った。リ医師はその後、警察に呼ばれ、嘘のうわさを広めないよう求められた。数ヵ月後、中国の最高裁判所は数万人の感染者を確認し、医師が新型コロナウイルスと診断した「うわさ」が、信用されることになった。
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武漢市センター病院の眼科医のリ・ウェンヤン医師は、中国のメッセンジャーアプリ「WeChat」を通じ、ウイルスの感染について同僚医師たちに語っていた。リ医師は、同医師の患者から、2000年代初頭に世界中に広まったSARSのウイルスが発見されたと報告した。この件は「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」紙が報じた。

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オンラインマガジン「Sixth Tone」の報道によれば、リ医師はその後、真夜中に保健局役員に呼び出され、「嘘のうわさ」を流布し、社会秩序を乱したと厳しく叱責されたという。同医師はその後、この情報について発信しないことを約束した。リ医師以外にも8人が「嘘のうわさ」を広めたとして罰せらた。

リ医師は患者が待つ職場にもどったが、その後、そこで新型コロナウイルス2019-nCoVが発見されることとなった。リ医師と彼の両親も発症した。

1月28日、中国で数千人が新型コロナウイルスに感染したことが明らかとなり、中国の最高裁判所は、伝染病の警告を行なった医師らを武漢市警が信用しなかったことについて批判した。裁判所では、もし医師らの警告に耳を傾けていたなら、ウイルス感染の管理はより容易になり、多くの人たちを救うことができたと強調した。

新型コロナウイルスをはじめて通報した医師 当初「嘘のうわさ」と批判される

「ニューヨーク・タイムズ」紙の報道によれば、新型コロナウイルス2019-nCoVと名付けられたウイルス感染での初の症例が認められた2019年12月に、中国政府は積極的な行動をとらず、病気の情報について公表しなかったという。


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