「こういう時、日本にいるのは悪くない」 ダイヤモンド・プリンセス号乗客ら、検疫生活を語る

横浜南沖で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号に乗船している日本人男性がスプートニクからの取材に船内の状況を語った。同船は新型コロナウイルスによる集団感染が確認されたため、乗員乗客には下船が禁じられ、2月5日から2週間の客室待機が命じられている。
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取材に応じた日本人男性はツィッター・ネーム@daxa_twさん。乗客の間にパニックなどは起きていないかとの問いに@daxa_twさんは、「船内は静かです。他の乗客の姿を見ることは無いです」と答えている。船内では秩序は保たれている様子だが、 一方で乗客は未だに自由に自分の船室から出ることは許可されておらず、出る時は船内放送が入った時のみだという。@daxa_ twさんには検疫が始まってから3日後にやっとデッキに出る許可がおりた。

乗員乗客のウイルス検査については@daxa_twさんは、「私はウイルスの検査はされていません。37.5℃以上の乗客は検査されました」と答えている。

​@daxa_twさんはツィッターを通して船内の状況について順次情報を提供し、待機中の船室から撮影された写真や船が出すお知らせを写したビデオなどを公開している。

@daxa_twさんの最新のツィッターには隣の船室から聞こえる咳の音を懸念するつぶやきが書かれた。この分では自分も今日明日にも新型コロナウイルスの犠牲になるのではと心配をしたためた後、@daxa_twさんはこのツィッターを削除している。​

船内の外国人はどうおもっている?

船内に閉じ込められている全員が悲観的な気分を味わっているわけでもなさそうだ。Facebookユーザーの女性Hia Brooksさんは外国人乗船者のひとりで夫とともに船内に閉じ込められているが、乗員はお客様のために全力を尽くしており、そのサービスに満足していると書いている。

「心配しないで。私たち、結構楽しんでいるわよ。」

英国人乗船者のデビッド・アベルさんはFacebook上に咳をしているからといって皆がウイルス感染者というわけではないと書いている。デビッドさんと妻のサリーさんも部屋のエアコンのために空気が乾燥し、時折咳が出るものの、バルコニーに出ればすぐにおさまるという。

アベル夫妻が唯一気をもんでいるのは、この検疫期間が下船した後も続かないかどうかということ。さらに2週間追加延長という事態にはならないだろうか。とはいえ、デビッドさんはそういう事態にも心の準備はできているようだ。「日本はこういう事態に滞在するには悪くない場所だよ。」「快適だしさ、バルコニーの眺めは最高。」

…と、こんな状態もエンジョイできるデビッドさんだが、ひとつ気をもんでいることがある。それは船でいつもディナーを共にしていた友人がどうやら病院に搬送されたらしいことだ。友人の男性はハネムーン中だった。ところが花嫁と引き離され、独り病院へ。花嫁も一人船内に取り残された。

乗船者がSNS上でシェアしているコメントを読むと、全員に体温計が渡されており、常時チェックが行われているのがわかる。この他に手袋が渡された。船では、船内放送を流し、外の新鮮な空気を吸うために乗船者に1時間半の時間限定でデッキに出るよう促している。その際にエレベーターを使わず、 階段で上り下りするため、 手すりに触るので手袋をはめなければならない。また、デッキの移動の際も他の乗客に接近してはならず、互いに1メートルの距離を保たねばならない。

未解決の問題のひとつが治療薬がないこと。乗船者たちには2月6日にアンケート用紙が渡され、どんな薬を必要としているか書きこんだ。

​乗船者らに支援を申し出たい人たちは横浜港の事務所を通して医薬品を渡すことができる。

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