米国の2021年度予算は2020年10月1日から執行される。トランプ政権が発表した予算案によれば、「2020年に入り、米国が直面する脅威は激しさと多様化を見せている」としたうえで、イスラム教の過激派や国際犯罪組織の脅威もさることながら、「米国は中国とロシアを含むライバル国の再興という問題に直面」しており、トランプ政権が発表した2021年度予算案は、「新時代の現実を踏まえた米国の新戦略を反映」しているとある。
予算案では欧州とユーラシアの地域に対し、「ロシアによる影響との闘い」を名目とした財政援助として3億6千万ドル、それとは別に軍事支援として1億7千万ドルが確保されているほか、ウクライナへの支援として3億1700万ドルが見積もられている。
予算案の成立には米議会の承認が必要だが、議論は難航する見通し。2020年度の予算は議会の承認が得られず、議論は泥沼化した。現時点では2020年9月までの予算は成立しているが、それ以後は臨時予算を組むなどして対応が進む見通し。2021年度の予算が確定するのは11月の米大統領選後と見られている。
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