挨拶に立った上月豊久・駐ロシア大使は、日本の皇室はロシア人にとって遠い存在と思われがちだが、皇后雅子さまは、外交官である父の在ソ連日本大使館赴任にともない幼少時代をモスクワで過ごし、モスクワの市立幼稚園に通っていたというエピソードを紹介した。
ゲストらは両陛下の写真とともに記念写真を撮ったり、日本料理や日本酒に舌鼓を打ったりした。
その中で目をひいたのが、珍しい形の真ん丸なおむすび。北海道東川町の米で作った「ひがしかわボール」だ。東川町にはなんと、上水道がない。しかし北海道で最も高い山・旭岳の雪解け水のおかげで、豊かな水脈がある。この天然水を贅沢に使って栽培されたのが、東川米である。
JAひがしかわの樽井功組合長によると、すでに東川では2トンほどの米をロシア向けに作っているが、これは非常に少ない数字であるため、今後更に増やしてビジネスにつなげていきたいという。
樽井組合長「東川のお米は粘りがあって甘いのが特徴です。ロシアの皆さんは、真っ白のお米よりも、チーズやおかかをのせたりして、味をつけたご飯がお好きなようで、喜んで食べてもらっています。」
北海道では、今年スタートする日露地域交流年の開会式が行なわれる。東川町の松岡市郎町長によると、同町で毎年夏に開催されている国際写真フェスティバルにおいて、今年の海外作家賞の対象国はロシアだという。松岡町長は「それ以外にも、ロシアから来て頂いてスキーをしたりと、町で行事をたくさん計画しています」と話す。
会場には企業や自治体のブースも設けられ、日本の技術や文化を紹介した。金沢市のブースでは、金沢の伝統工芸である金箔貼り体験コーナーで、ゲストがポストカード作りを楽しんだ。金箔貼りを体験したモスクワ大学教授のリアナ・アレシゼさんは「長く日本にいても、知らないことがたくさん。日本の魅力は尽きません」と話した。
令和初の天皇誕生日、モスクワで前祝い:雅子さまがソ連の幼稚園に通ったエピソード紹介【写真】
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