香港大学医学部教授であるルンガ氏の警告は、世界保健機構(WHO)の代表が最新のケースを発表した後に知られるようになった。WHOは、中国への訪問暦のない人々の間での新型コロナウイルス発症の最新のケースを発表し、これらは氷山の一角のおそれがあると指摘した。
ルンガ氏によれば、中国と関わるいくつかの国々、例えばタイなどは、すでに検疫用の収容施設の建設をはじめた。しかし、他の国々は危険への対処を行なっておらず、その理由も明らかではない。「世界の人口の60%とはかなり深刻な数字といえる。仮に全体の死亡率がわずか1%だったとしても、その人数は巨大なものとなる」。
重要な問題点の1つは、病気拡大の予防のために中国が実施した抜本的な措置にどれほど効果があったのかというものがある。そして、もし効果がある場合、他の国々は同様の措置の実施を考える必要がある。ルンガ氏は、「世界中の大都市での病気の拡大は、すでに感染しているおびただしい人々の移動を避けられないものにするおそれがある」と指摘した。この間、香港当局は、別々の階で暮らしていた2人の住人が新型コロナウイルスに感染したことが判明したことを受け、高層住宅の住民ら数十人を避難させた。地域の医療関係者の予想では、ウイルスは上下水道を経由して拡大した可能性がある。2003年には、香港の集合住宅の住民329人が急性呼吸器ウイルス感染症を発症するというケースが発生した。その際、ウイルスは配管不良によって拡大し、その結果42人が亡くなっている。
新型コロナウイルス「拡大が止められない場合、世界の全人口の60%が感染のおそれ」=ガーディアン紙
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