それから約20分後、控えGKのピーター・ムラゼックもトロント・メープルリーフスの選手と激しく衝突して退場、カロライナ・ハリケーンズにはGKがいなくなってしまった。
しかしNHLの規定では、このような不測の事態も想定されている。このような場合、どのチームにも所属していない、所謂、緊急GKを氷上に招くことができる。
22日の試合では、この緊急GKを整氷車のドライバー、デイブ・エアーズさん(42)が務めた。エアーズさんはかつてホッケーをしていたが、15年前に腎臓移植を受け、プロホッケー選手になる夢を断念した。
しかしエアーズさんはためらうことなく、スタジアムでNHLと1試合(報酬500ドル)の契約を結び、GKとして出場した。
結果、カロライナ・ハリケーンズは6対3で勝ち、エアーズさんは10本のシュートのうち8本をセーブし、勝利に大きく貢献した。
米国のスポーツメディアは、トロント・メープルリーフスには負ける気はまったくなく、勝つ必要があったことを強調した。
試合後、カロライナ・ハリケーンズのヘッドコーチ、ロッド・ブリンダムル氏は、チームに対し、試合の印象について次のように語ったー
「この試合の馬鹿げた思い出、馬鹿げた第3ピリオドでの君たちのプレーは、私の中に永遠に残るだろう」と述べ、エアーズさんについて「君が私たちのためにどのようなプレーを見せたのかも」永遠に記憶に残るだろうと語った。
カロライナ・ハリケーンズの本拠地があるノースカロライナ州の知事は、エアーズさんを州の名誉市民にすることを考えているという。
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