スパイアクション「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」製作チームは北京で初公開、また中国大都市を回ってプロモーションを計画していた。北京には007主演のダニエル・クレイグ氏も来る予定だった。しかしコロナウイルス感染拡大の恐れを受け、初公開の延期が決定された。ダニエル・クレイグの007最新作がどれほどの損害を被ったかは想像もつかない。同シリーズ前作「007/スペクター」は中国で8400万ドル(約92億8200万円)、つまり世界興収8億8100万ドル(約973億5千万円)の10分の1に当たる売上を記録した。
先日パラマウント映画は、日本のセガの人気コンピュータゲームをベースにした「ソニック・ザ・ムービー」の公開延期を発表した。近年、中国での配給に依存している米国映画ビジネスにとっては、本当の惨事となるかもしれない。
同じくコロナウイルス蔓延が見られるイタリアでは(現時点で感染者数で世界3位)「ミッション:インポッシブル7」の撮影が一時停止された。パラマウント映画は、イタリア政府による集団イベントの一時停止令に伴い、撮影スケジュールの変更を決定した。「ミッション:インポッシブル」シリーズ新作の撮影はベネチアでこの3週間にわたって行われる予定だったが、現時点で作業は一旦停止された。撮影クルーは正式に再開指示が出るまで帰宅することとなった。
中国で検疫体制が始まり、中国国内の大手映画館は不定期に閉鎖された。ハリウッド大型作品だけでなく、「Detective Chinatown 3」(近年大ヒットのコメディ続編)「战封神」「夺冠」「Lost in Russia」など中国製ヒット作品の上映もかなわなくなった。これらはすべて中国の旧正月の長期休暇に上映される予定だった。
中国の新型コロナウイルス
中国当局は12月末、武漢市で原因不明の肺炎が発生したと発表した。最初の患者たちは海鮮市場に出入りしていた。
専門家らは、暫定的に新型コロナウイルス2019-nCoVが疾患の原因と判断した。