韓国はどうやって新型コロナウイルスと戦うのか、感染を阻止するチャンスはあるのか。スプートニクは、嘉泉大学吉病院予防医学科の鄭在勳教授に話を聞いた。
２月２０日、呼吸器疾患をもつ人たちを隔離して治療するための特別なセンターが仁川の医療施設をベースに開設された。ここには新型コロナに感染した大邱からの患者が運ばれてきていて、病棟は既に足りなくなってきている。
「状況を劇的に変えることは不可能だ」
多くの学者は、中国から入ってくる人の数を減らすか、2月上旬に国境を完全に閉鎖することを提案していた。しかし2月末となり、新型ウイルスは既に入ってきている。入国制限の措置をとるには、実際問題遅れており、状況を劇的に変えることは不可能だろうと鄭在勳氏は述べている。
韓国政府は既に人口移動に制限をかける様々な措置を取っており、人々の流入を減らすため、大邱と、慶尚北道の住民は外出しないよう呼びかけられ、市民の行動がある程度制限されている。
鄭在勳氏はまた、「しかし、これらはすべては拡散を遅らせるだけで、防ぐことはできない。 そして、拡散を遅らせるために時間を費やしている間に、ワクチンが開発されるか、医薬品の供給が始まるかもしれない」と話している。
韓国のウイルス検査は、より効果的？
韓国の症例数の急激な増加は、米国や日本、中国よりもウイルスを診断するためのより高度な能力に関連している、と定期的に言われている。教授はこの問題に関する意見を次のように述べている。
「一般に、韓国が感染しているかの検査を実施できるキャパシティは非常に高く、米国や日本よりも2倍多く検査が行われている。しかし実際には、検査能力が低いために、例えば米国が患者を悪化させているとは言えない。例えば、潜在的な患者をチェックするとなると、感染の疑いのあるキャリアを最初に正確に追跡する必要がある。その結果、100人のうち90人が感染していることもあれば、1万人のうち90人しか感染していないケースもある。したがって、検査を多く実施できるからといって、感染者を多く発見できるかというと、なかなか難しい」。
聨合ニュースは26日、韓国議会がコロナウイルスの拡散に関連して3つの法案を可決したと報じた。そのうちの一つは、新型コロナの感染が広がっている国からの韓国への入国を禁止することだ。ウイルス性疾患の予防と制御に関する法律の改正案では、高レベルの疫学的脅威が残っている場合、公共の福祉施設を訪れる子どもや高齢者、その他の抵抗力が弱いカテゴリーの人々にマスクが提供される、となっている。さらに、社会保障相は、医療グッズの価格が急激に上昇した場合、または最高レベルのウイルス性疾患の流行中に医療グッズが不足した場合、マスクや抗菌ハンドジェルなどの輸出を一定期間禁止するかもしれない。また、医療機関は、処方せんや薬を出す前に、外国を訪れたことのある患者の病歴を強制的にチェックすることが義務づけられるようになる。