子どもの頃のがんワクチン接種 発症後に有効

子どもの頃にがんワクチンを接種しておくと、発症後のがん治療に大きく役立つことがヘルシンキ大学(フィンランド)の行ったマウス実験の結果、明らかになった。この結果は科学誌「がん研究(Cancer Research)」に掲載された。
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国際的な予防接種プログラムを通じて、世界中のほとんどの人々は最も危険な病原菌に対するワクチンを受けている。予防接種の目的とは、免疫系に病原体を記憶させること、そして再度その病原体が体内に侵入した際、その病気から快復するために迅速かつ効果的な免疫応答を行なわせることにある。

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この研究論文の著者らによると、早期のがんワクチン接種は現在行われておらず、悪性腫瘍の発見後に接種されている。しかし、第1回目の病原体の侵入に対して起こる一次免疫応答は、抗がん治療を効果的に行えるほど強力なものではない。

そこで研究者らは、抗腫瘍免疫応答を強化するために、ハイブリッドがんワクチンを開発した。このワクチンは、早期のワクチン接種により免疫を獲得済みのあらゆるウイルスを元に生成されている。このワクチンのウイルスには小さな悪性腫瘍が付着しているため、接種すると体内で腫瘍に対する免疫反応を引き起こすのだ。 

マウスにこのハイブリットワクチンを接種すると、免疫系がすぐに既知のウイルスを認識し、強い免疫応答を開始した。それと同時にがん細胞の発生を抑制する抗体を生成することが明らかになった。つまり、がんワクチン接種済みのマウスに対し、抗がん療法の有効性は著しく高いことが示された。

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