今シーズン最高の新人選手
「今シーズン最高の新人選手を挙げるとすれば、私ならアレクサンドラ・トルソワ、アリョーナ・コストルナヤ、カミラ・ワリエワの中ではサーシャ(トルソワの愛称)を選びますね」とタラソワ氏はRTのインタービューで語る。トルソワがやってのける1つのプログラムに4つの4回転ジャンプの快挙 をうち破る人物はそうそう現れないというのがその理由だ。
最高のコーチは?
「最高のコーチといえば、エテリ・トゥトベリーゼ氏ですよ」とタラソワ氏は太鼓判を押す。タラソワ氏いわく、シニア、ジュニアの両カテゴリーでトゥトベリーゼ氏の業績は群を抜いている。ネイサン・チェン選手を育てあげたラファエル・アルトゥニャン・コーチも確かにとてつもなく大きな作業をこなしたものの、それでも傑出した成果はチェン1人。それに比べてトゥトベリーゼ氏の元から生まれたチャンピオンの数はそれだけで1つのチームを組めるほど多い。
最高の価値の選手は…
では、最高に価値の高い選手はというと、タラソワ氏は迷うことなく羽生結弦の名を挙げた。
「チェンはものすごく好きなのですが、最高に価値の高い選手を選べと言われたら、やっぱり日本人(羽生結弦)を選びます。彼は単なるフィギュア選手ではない。あの人は非凡です。彼のショートプログラム『バラード第1番』だけをとってもそれがわかる。このプログラムが終わる時、立ち上がるのではない。ひざまづいて、神に感謝しなければならない。これを見る幸運を私たちにお与えくださり、有難うございますと。」
タラソワ氏は、羽生選手の演技がいかに人知を超えたものであるかを言葉を選んで説明している。
「これは音楽に100%合っているということを超え、音楽の世界に入り込み、それを生きる行為です。音のひとつひとつに最難関の要素がのっかっているだけではない。音楽と人間の魂が見事に完全に合わさっているのです。」
コロナウイルスの感染状況がパンデミックに達したためにフィギュアの大会は中止になっただけでなく、練習の場であるスケート場も閉鎖されてしまった。このためフィギュア選手らは自宅での訓練を余儀なくされている。