連立交渉に反対する抗議者らは黒い衣服に身を包んでいた。デモ主催者は「黒旗」運動を展開している。タイム誌によると、抗議デモは先週日曜日に行われ、参加者はマスク着用の上、2メートルの距離を保っていたという。
デモ参加者は、ネタニヤフ氏が汚職で罪に問われていることをあらためて強調した。
今年3月、イスラエルでは1年で3回目の国会選挙となる臨時選挙が行われた。ネタニヤフ氏が率いる右派政党「リクード」は小差で勝利したものの、同党も同派も過半数を獲得できなかった。
その後、ネタニヤフ氏とガンツ氏は統一政権樹立をまとめられず、この場合、ルーベン・リブリン大統領が国会に組閣の権限を与える権利を行使する。これにより、国会は3週間で過半数による首相候補者を大統領に推薦し、首相候補者は2週間で組閣する。この間に新内閣が発足しなければ、イスラエルでは再度の総選挙が行われることになる。
ネタニヤフ氏は2019年末、詐欺、汚職、背任の3件の容疑で起訴された。特に、ネタニヤフ氏にはテレコミュニケーション企業Bezeqに法的特権を与えた嫌疑がかかっている。またネタニヤフ氏とその家族は、米国プロデューサーのアーノン・ミルチェン氏と豪実業家のジェイムス・パッカー氏から計25万ユーロ以上の贈賄を受けたとされている。
ネタニヤフ氏は全ての容疑を否認し、これを「魔女狩り」と指摘。起訴を免れるための免責決議を議会に求めていたものの、この申立てを取り下げた。自身のフェイスブックで明らかにしている。
裁判でネタニヤフ氏の有罪が認められれば、最大10年の禁固刑が科される。公判はコロナウイルス蔓延の影響で3月から5月24日に延期された。