中国、シンガポール、米国の研究者らによると、新型コロナウイルスで亡くなるがん患者の死亡率は、がんではない感染者の場合(推定2〜3%)よりも3倍近く高い。また、集中治療室に入院したり、人工呼吸器が必要になる可能性も、がんではない人よりも高かった。
これらの結果から研究者らは、新型コロナウイルスの流行において、がん患者はより脆弱なグループであると結論づけている。がん患者は高齢の傾向がある他、がん自体が免疫システムを低下させていることがこのウイルスによる重篤な合併症を引き起こす危険因子となる。また、白血病、リンパ腫、骨髄腫などの血液がんは免疫系を攻撃し、患者の自然治癒力を低下させ、危険な感染症にかかりやすくする。
さらに研究者らは、肺がん患者は肺機能が低下しているためウイルスに対してより脆弱であると指摘している。また、治療を終えたがん患者は、がんを持っていない人よりも、ウイルスによる重篤な合併症を引き起こすリスクが高いことがわかった。
米国がん研究協会の副最高医療責任者、J・レオナルド・リヒテンフェルド氏は、この研究はまだ比較的小規模なものであり、さらに数千人の患者を詳しく調査する必要があると述べている。
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がん患者の新型コロナ死亡率は約3倍
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