シルアノフ財務相は露ベードモスチ紙の取材に応じた中で、ロシア経済には複数のシナリオがあるものの、「どれもあまり楽観的ではない」と発言し、2020年のGDPは5パーセントのマイナス成長になるとの見方を示した。
また、シルアノフ財務相によれば、原油価格の暴落によるエネルギー関連の収入減は1兆5000億ルーブル(約2兆1300億円)に達するという。そのほか、税収がおよそ2兆ルーブル(約2兆8400億円)減収することから2020年度の歳入はGDP換算でマイナス4パーセントになるとした。
そこで政府は国庫や市場から不足する資金を借り入れて2020年度の会計を進めるとした。また前年度の繰越金が1兆1000億ルーブル(約1兆5620億円)あることから、その一部も今年度の予算に補充される。加えて、事業主に経済的損失が生じないプロジェクトについては来年度に日程変更するなど、事業仕分けも率先して行う。
ロシア政府は新型コロナウイルスの対策費として新たに1兆700億ルーブル(約1兆5200億円)を計上し、2020年度の予算は20兆7000億ルーブル(約29兆3940億円)に達する見込み。
先にエリビラ・ナビウリナ・ロシア中央銀行総裁はロシア経済のマイナス成長が4~6パーセントに達するとしていた。特にマイナス成長が厳しいのが4月から6月の第2四半期で、そのマイナス成長幅は8パーセントに達する見込み。
一方、マクシム・レシェトニコフ経済発展相は5月末にマクロ経済の見通しを発表するとしていた。
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