この追跡アプリ「足あとトラッカー」を開発したのは、加藤周さん(16)。このアプリは10メートルごとの位置情報と1分単位の滞在時刻が記録できる。また、プライバシー保護のため、行動履歴を保存できるのはアプリをダウンロードした端末だけ。感染者の利用者はこの履歴を確認しながら、接触者に自ら連絡を取ったり、保険当局に情報をもれなく提供することができる。また、この行動履歴から、感染経路の特定にも活用できると期待されている。
毎日新聞によると、加藤さんは小学生の頃プログラミング講座を受講したきっかけで、アプリ開発に興味を持った。小学5年生のときには、割り算で小数点以下の数値の代わりに余りの数を表示するアプリを開発。2017年には青少年のプログラマーを支援する「未踏ジュニア」で優れた能力を持つ「スーパークリエーター」に認定された。加藤さんはこれまでに20〜30個のアプリを開発してきた。
加藤さんは自分が困ったことの解決策としてアプリを開発する。
しかし今回は、新型コロナウイルスで多くの人々が困っているのをテレビで見て、「何かできないか、少しでも役にたちたい」という思いで開発を行ったという。
加藤さんは現在、飲食店と客がメニューやテイクアウト情報を共有するウェブサイトの立ち上げに取り組んでいる。東京などの大都市では客はフード・デリバリー・サービスなどを活用できるが、地方ではテイクアウトや出前のサービスを探すのは難しい。そのため、このようなウェブサイトがあれば、パンデミックで打撃を受けた飲食店が客を獲得するのにも役立つ。
プログラミングに惹きつけられている加藤さん。しかし、プログラミングができるだけでは十分ではないという。加藤さんは「多くの人たちがダウンロードして利用してもらえるように、製品を世界に出していかなければならない」と語っている。
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