ところが…。予期せず、あるツィートがウイルスとなり、これが発端となってメドベージェワが外出自粛を守らず、トレーニングを続けているという噂が飛び始め、それがまた次々に別の噂を呼んでしまった。
スプートニクにはこの情報を裏付ける具体的な証拠は何も見つけられなかった。一方でメドベージェワ自身は未だに練習したとの情報を否定していない。
スプートニクは状況をはっきりさせようとメドベージェワ本人に確認を試みたが、メドベージェワとは連絡がとれなかった。仕方なくメドベージェワの母親のジャンナさんに連絡をとると、「(コメントを)避けるようにとのアドバイスを受けていますので、そのようにしております」というフレーズに状況説明はとどまった。
同じロシア人フィギュア選手のマリア・ソツコワの方がスプートニクからの取材にはオープンだった。メドベージェワとは平昌五輪で同じ代表団で出場して、知り合いであるソツコワは、メドベージェワが批判の矛先になってしまったことを非常に残念がっていた。
「この話(日本入り)を聞いて、唖然としました。だって彼女が渡った時期はもう、すべて閉鎖されて、観客を動員するショーなんて無理なことははっきりしていたからです。なんで組織側は彼女の日本入りを止めなかったんだろうとそのことばかり考えました。答えは見つけられませんでした。だから、きっとショーの組織側はメドベージェワが日本入りしてもどうできるのか、わかっているのだろうと思ったのです。今、彼女がいるのはカナダでさえないんですよ。カナダなら割合長い間暮らしたし、もう慣れているでしょう。でも検疫中で他の国に滞在していて出国の可能性もないなんて。本当に彼女が気の毒だと思います。」
スプートニクはロシア・フィギュアスケート連盟のアレクサンドル・ゴルシコフ会長に取材し、状況についての見解を尋ねてみた。
ゴルシコフ会長から得られた回答は「日本でエフゲニア・メドベージェワに実際に何があったのかについて、本当のことを話せるのは本人しかいません」というものだった。