それは第三帝国崩壊直前の5月7日の朝の通信だった。
「英軍兵士がクックスハーフェン(北海に面したドイツの港町)に進入。これより全ての通信を停止する。幸運を祈る。クンケル中尉」
この通信は、第二次世界大戦中に英国の極秘暗号部隊であった政府暗号学校(英政府通信本部の前身)の職員によって傍受された。英国の数学者、アラン・チューリング氏はそこに務め、あの有名なドイツの「エニグマ」を含む暗号機の解読に必要な時間を大幅に短縮させた解読機「ボンベ」を設計した。
英政府通信本部(GCHQ)は、第二次世界大戦の戦勝記念日75周年にむけて、ナチス最後の通信文を公開。同本部はさらに、欧州における大戦末期に傍受したドイツの通信テキストのコピーも公表した。
関連記事