米ニューヨーク州のクオモ知事は21日、ウイルスに感染した子どもが川崎病に似た症状を示すケースが157件に増えたと発表。また、米国内の25の州で同様のケースが確認されており、患者は数百人にのぼると推測されている。さらにイタリアのベルガモでは10人、英国では90人の症例が報告されている。
今までの報告により、川崎病に似た症状は子どものみに現れると考えられていた。しかしこの症状は、数人の若い成人にもみられるという。米カリフォルニア大学サンディエゴ校の川崎病研究センターの医師、ジェーン・バーンズ氏によると、大人を診る医者の多くが 「子どもの病気だから川崎病を診たことがない 」のが課題だが、子どもと成人の区別は生物学的なものではなく、法的なものであることに注意してほしいと訴えている。実際に、米サンディエゴでは20歳の患者が、ニューヨークでは25歳の患者がこの症状で入院している。
ニューヨーク最大級の病院「ノースウェル・ヘルス」の小児科医であるジェームズ・シュナイダー氏は、この症状は自宅で治療できるものではないと強調している。治療にはステロイド、抗凝固剤、免疫グロブリン製剤の投与、時には人工呼吸器を必要とする。少数ながら心停止に陥った患者もおり、心肺蘇生を施したこともあるという。同医師によると、この症状を示した子ども44人のうち、約80%が回復し、退院した。
米国ではすでに、この症状を示した子どもがニューヨーク州で3人、メリーランド州で1人亡くなった。
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