インサイダー紙によれば、数か所の医療組織にあらかじめ登録したふたりは、インターネットで死亡記事を探しては、国立の基金に自分らは死者に生前、医療サービスを行っていたと報告し、国からの補償金を受け取っていた。この詐欺行為でせしめた金をふたりは贅沢三昧のゴージャスな生活に投じていた。
ヘロン夫婦は自分らが編み出した狡猾なスキームで数年間稼ぎまくったが、これが功を奏したのも自慢の虫が騒ぎ出すまでのことだった。贅沢を満喫している姿をみんなに見せたい!という欲求がもたげ、慎重さを欠いてしまったふたりは、個人用セスナ機、豪勢な邸宅、旅行、レストランに宝飾品の数々を撮影した写真をSNSで公開してしまった。
公開された写真を不審に思った警察は密かに捜査を開始。その結果、ふたりの違法行為が発覚した。
取り調べの結果、ラチシャにもチモシーにも前歴があることが判明した。米法務省の保管する調書によれば2017年から2019年の間、ふたりが米政府からせしめた「補償金」額は1300万ドルを超える。この先ふたりを待ち受けているのは裁判への出廷と財産没収だ。