テキサス州が1500人の公安職員を主要都市に派遣 黒人暴行死の抗議活動を受けて

米国ではアフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドさんの暴行死に対する抗議活動が各地で発生している。米テキサス州のグレッグ・アボット知事は公安部の職員1500人超を州内のヒューストン、ダラス、サンアントニオ、オースティンといった主要都市に派遣し、治安維持を強化する意向を明らかにした。抗議活動は全米に加え、カナダにも波及しており、各地で逮捕者が続出している。治安悪化を受けて複数の都市では外出禁止令が発令されている。
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テキサス州のアボット知事は抗議活動における安全を維持するため、1500人以上の公安職員を州内の主要都市に派遣し、現地警察の業務をサポートさせる。アボット知事がツイッターへの投稿で明らかにした。必要に応じて引き続き公安職員を追加で派遣するとした。

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黒人差別に対する抗議活動は全米に波及した。ニューヨーク市警察の発表では週末の2日間で行われた抗議活動には約3000人が参加し、一部が暴徒化した。警官隊との衝突により、200人以上が拘束された模様。もっとも抗議活動が激しかったのは29日夕方のブルックリンで、参加者らの多くは暴徒と化し、警察車両に火を放った。各メディアの報道によれば、警官隊にも多数の負傷者が発生している模様。

抗議活動はロサンゼルス市でも激しさを増し、市警察の発表によれば400人以上が拘束された。警官隊は抗議活動の参加者に対し、催涙ガスや閃光弾、およびゴム弾を使用した模様。当局は市内での集会を認めてはおらず、事態の悪化を受けて夜間の外出禁止令を発令した。ただし、当局によればこの措置は抗議活動の参加者や一般市民、警官の安全を守るためであり、言論の自由を損なうものではないという。外出禁止令はそのほか、ミネアポリスやフィラデルフィア、アトランタ、デンバー、ルイビル、ポートランドでも発令されている。

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ミネソタ市で行われた司法解剖の事前結果でジョージ・フロイドさんの死因は窒息死ではなく、摂取したアルコールによる体調の異変が原因とされた。この司法解剖結果を受けて遺族は弁護士を通じて抗議の意思を表明し、独自に2人の法医学鑑定家を雇用して再調査を依頼するとした。新たな司法解剖結果は数日以内に公表される。

ニューヨークタイムズ紙によれば、死亡したジョージ・フロイドさん(46)と過失致死罪で逮捕された元警官のデレク・ショーヴァン容疑者(44)は事件のおそよ1年前にナイトクラブで共に勤務にあたっており、2人は顔見知りだったという。

事件を受けて容疑者の妻ケリー・ショーヴァンさんは弁護士を通じてフロイドさんの遺族に哀悼の意を表した。弁護士によれば、ケリーさんは離婚届を役所に提出したという。全米を巻き込んだ抗議活動を受けて、ケリーさんは「容疑者の子供たち」となってしまった家族を暴力から守るため、弁護士に相談を寄せているという。

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