スウェーデン政府の新型コロナ対策を主導する疫学者のアンデシュ・テグネル氏は同国ラジオの取材に応じ「新型コロナウイルス感染症について当時、現在ほどの知識があればスウェーデンとその他の諸国がとった中間程度の戦略を選んでいただろう」と語った。 同氏は、移動制限や行事の中止を行っていたら記録的な致死率は防げたはずだと述べた。
テンゲル氏は5月初旬の段階では、経済への打撃を回避するため、都市封鎖などを行わない方針を支持していた。スウェーデンではこの間も学校や幼稚園は活動を続け、人々の移動の制限もなく、50人以下であれば集まりも許されていた。
一方、5月29日になりスウェーデンがわずか1週間で死亡率で世界トップに押しあがったことが判明。1週間で同国の100万人あたりの平均死者数は5.59人となった。隣接するスカンディナヴィア諸国の4倍だった。
米ジョンズ・ホプキンズ大のデータによると、スウェーデンの新型コロナ感染者は3万8500人、死者は4400人で、約5000人が治癒した。インディペンデンス紙は、この数字は米国(死者10万5000人)や英国(同3万8000人)に比べればはるかに低いが、死亡率としてはスウェーデンが世界トップと報じている。
スウェーデン政府の経済救済の希望も叶わなかった。ブルームバーグは、感染拡大時に制限措置をとらなかったにもかかわらず、政治危機や深刻な経済不況、失業率増加など本格的な危機がスウェーデンを待ち受けていると結んでいる。
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