新型コロナウイルス

新型コロナに高気圧酸素治療 モスクワで実験的に開始

モスクワのスクリフォソフスキー救急医療研究所は、新型コロナウイルスの治療法として高気圧酸素治療を実験的に取り入れている。この治療法をロシアの医療機関で行うのは初。モスクワ市の公式サイトが伝えている。
この記事をSputnikで読む

公式サイトによると、新型コロナ患者25人がこの治療法を既に100回以上受けているという。

高気圧酸素治療法とは、高気圧下で酸素を血漿に浸透させることで、血中酸素飽和度を100%まで上げるという理論に基づく。この方法は、酸素マスクを使用するより効果的だという。この治療は、小型の潜水艇のような特殊な密閉カプセルで行われる。この治療法だと患者はカプセルの中で横になり、高濃度の酸素を吸うだけでいい。

この治療法を行うことで、高圧条件下で体内に上限最大量の酸素を体内に取り入れることができる。血液に取り込まれた酸素は、血流にのって体の様々な箇所、特に酸素を今すぐ必要としている部分に届けられる。この方法によって、神経、筋肉、骨、軟骨など全ての組織の再生プロセスが開始する。

ロシアの研究者 ヨーグルト状態の新型コロナ用ワクチンを開発
医師らは、この治療法によって健康状態が全面的に改善、息切れの軽減、血液中の酸素量が増加すると指摘している。

救急医療研究所所長で、新型コロナウイルス感染症拡大防止委員会のセルゲイ・ペトリコフ氏は、この治療法導入について「患者に人工呼吸器を装着させるのを防ぐというのが目的です。患者には他の治療法とともに高気圧酸素治療も行っています」と述べている。

ペトリコフ氏によると、高気圧での酸素吸入は、体内の抗ウイルス・抗菌作用を高めるとともに、薬の副作用を軽減させる。これらの効果は患者の回復に貢献できるという。

関連記事

コメント