拉致被害者の帰還運動のシンボル 横田めぐみさんの父 滋さんが死去

北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父で、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」前代表の横田滋さんが5日、老衰のため87歳で亡くなった。ジャパンタイムズが報じている。
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滋さんは1932年生まれ。日本銀行名古屋支店に勤務していた滋さんは、早紀江さん(84)と結婚。64年にはめぐみさんが誕生した。一家が転勤先の新潟市で暮らしていた1977年11月、めぐみさん(当時13歳)が中学校から帰る途中で行方がわからなくなった。その後もめぐみさんの手がかりは全く得られず、失踪から20年後の1997年、北朝鮮に拉致されたとの情報がもたらされた。

​北朝鮮による1970〜80年代の日本人拉致事件被害者の親族が1997年、家族会を結成。代表を務めた滋さんは、拉致被害者の帰還を求める運動のシンボル的存在となった。

全国各地で活動を続ける滋さんだったが、2005年ごろから体調が悪化。入退院を繰り返しながらも活動は継続していた。2018年からは川崎市内の病院に入院していたが、5日、老衰のため亡くなった。

毎日新聞によると、安倍晋三首相は5日、「(妻の)早紀江さんと共にめぐみさんを抱きしめられる日が来るように全力を尽くしてきたが、実現できなかったことは断腸の思い、申し訳ない」と記者団に語った。また、拉致担当相を兼ねる菅義偉官房長官も、「残念ながら(拉致問題解決に向けて)遅々として進まない現状に対して、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と述べた。

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