日本軍復活は米国にとって利益になる?

米週刊誌ニューズウィークのコラムニスト、ギャビン・ワックス氏は自身の記事の中で、日本は本格的な軍隊を復活させるべきだとの見解を示した。ワックス氏は、第二次世界大戦後、米国は日本における軍国主義気運の復活を恐れていたが、現在は逆にもし日本が軍事面での発展に積極的に取り組んだとしたらそれは米国にとってむしろ有益だと考えている。本格的な軍隊を保有しないことで日本は実際にその重要性を失ってしまったのだろうか?また日本人は本格的な軍隊を保有することにどのくらい関心を持っているのだろうか?
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世界経済国際関係研究所、日本経済政治セクターを率いるヴィタリー・シヴィトコ氏は、米国ではすべての人がワックス氏の見解を共有しているわけではないとの見方を示し、次のように語っている―

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「今日、多くの人が、実際にワックス氏と同じように日本は米国の信頼できる同盟国であるため、軍の強化による自国の防衛努力を抑制する必要性はないと考えている。なぜなら、いずれにせよこの努力は日本と米国に共通の潜在的敵国である中国に向けられることになるからだ。一方、中国抑止は永続的な同盟の保証ではなく、本格的な日本軍の復活にはこれまで通り細心の注意を払うべきだと考えている人たちもいる。

将来的に日本が米国のライバルになる可能性があるという懸念があるため、米国は日本の軍事的計画を注意深く監視しなければならない。主な懸念は、日本が20年から30年後に経済的ポテンシャル及び軍事的ポテンシャルとともに単独でアジアを支配するという独自の野心を持つことだ。これはもちろん、自らがアジア太平洋地域で支配的な地位を得たいと考えている米国にとってはあまりよい選択肢ではない。」

シュヴィトコ氏はまた、米国だけでなく日本国内の社会的機運も、日本における独自の本格的な軍の地位をゆるぎないものにするための行動を抑制しているとの見方を示し、次のように語っている―

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「第二次世界大戦以降、日本では強力な平和運動が形成された。日本人は保守系グループの影響力が高まることを恐れている。まず第一に、日本を危険な軍事紛争に引き込む可能性がある軍隊の保有などを求める人々を。国内の反対派は、この問題に細心の注意を払うべきだと述べている。そして、社会におけるこのような平和主義的機運は、米国の意見よりもさらに重みがある。」

ワックス氏は、日本から本格的な軍隊の制限を取り除くことで米国は徐々に日本から米軍を撤退させることができると考えており、そうなった場合、米国はアジア太平洋地域に信頼できる同盟国を持ち、軍事費を節約し、そして米国は中国との紛争が起こった場合に米兵の命を危険にさらす必要がなくなるなど、多くの利点があると指摘している。

だが、日本の平和主義は今もしっかりと「防衛を保持」しており、一度も武力を行使していない。アジア太平洋地域の未来に向けたまさにこのようなアプローチが、同地域の未来を救うと信じたい。

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