ところが、日本のアニメ業界はネットフリックスに対する警戒心が強い。同社に作品を提供するアニメ制作会社幹部は「作品がヒットすればネットフリックスの勝ち、ヒットしなければ私たち(制作会社)の勝ちだ」と語る。制作側がこのように語る理由は、ネットフリックスが作品の配信権を一定額で買い取ることにある。つまり、どれだけ作品が視聴されてもその買取り額は変わらない。
そのような不満を漏らしつつも制作会社は「ネットフリックスのクリエイティブへの理解力は凄まじい」と語る。ネットフリックス制作のあるアニメ作品では、海外アーティストを起用。同社の海外ネットワークが生かされた形となっている。
一方、日本の制作会社からは、「いつまでも日本の制作会社を使ってくれるわけではない」という声も聞かれる。質の高い作品の配信を求めるネットフリックスは、日本のみならず中国や韓国の制作会社にも注目しており、同社は1月、韓国のアニメ制作会社「スタジオ・ミール」と包括的業務提携を結んだ。アニメ制作会社の国際競争は、ネットフリックスを介して激しさを増す可能性がある。
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