デキサメタゾンは、1960年代から抗炎症薬として用いられてきたステロイド。腫瘍科でも治療薬として使用されている。WHOによると、この薬による効果がみられるのは新型コロナウイルスの重症患者に限られる。
英オックスフォード大の研究者らは今回、デキサメタゾン投与試験による暫定的な結果を発表した。WHOは、新型コロナウイルスに関する勧告を近日中に更新するため、この臨床試験について完全な形での報告を待っているという。
同大学で行われた研究では、抗炎症薬のデキサメタゾンは、人工呼吸器を装着している患者では35%、マスクをつけて酸素吸入を受けている患者では20%、それぞれ薬を投与しなかったケースに比べて死亡率が低下した。英国ではデキサメタゾンの価格は5ポンド(約670円)ほど。英政府は16日、デキサメタゾンを新型コロナウイルスの治療薬として承認した。
WHOのテドロス事務局長は「これは、酸素吸入や人工呼吸器を必要とする新型コロナウイルス患者の死亡率の低下を示した初めての薬」と述べている。
テドロス事務局長はこの臨床結果を「素晴らしいニュース」と評価した。
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