ザハロワ報道官は、ロシアは、日本の茂木外務大臣が「米国との協力に影響を与えるとは考えていない」と述べ、米国との軍事政治協力の拡大路線にいかなる変更も生じていないと指摘した点も考慮していくとしている。
ザハロワ報道官はブリーフィングで「我々はこのシナリオの発展を注視しており、何よりもまず、今回の声明に続いて日本の指導部が、特にアジア太平洋地域の安全保障状況に直接反映するミサイル防衛分野で具体的な歩みをとるのかどうかを見極めていく」と語っている。
15日、日本の河野防衛大臣は新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を停止すると発表した。
イージス・アショアについてのロシアの姿勢
2017年、北朝鮮から発射される弾道ミサイルを理由に日本は自国領内に米国の地上型迎撃ミサイル「イージス・アショア」を2基配備することを決定。これに対してロシアは再三にわたり、憂慮の念を表してきた。
2020年1月に行われた交渉でロシア外務省のセルゲイ・リャブコフ次官は、ロシアと日本は米国のイージス・アショアの日本への配備問題で互いの立場を近づけることができなかったと語っていた。リヤブコバ氏によれば、イージス・アシュアシステムは、ロシアの戦略的抑止のポテンシャルに否定的な影響を与えるという。そのほか、ロシアはこれらのコンプレックスは迎撃ミサイルの運用だけでなく、巡航ミサイル「トマホーク」を含めた攻撃手段の使用としても適していると確信している。これらミサイルの射程距離は2.5キロメートルに達する。