検察庁がロシア市民としているヴァディム・K(別名ヴァディム・S)容疑者は、殺人と武器取引法違反の疑いで起訴された。捜査は「ある時期にロシア中央政府の国家機関が容疑者にグルジア市民を殺害するように指示を出した」という根拠をもとに進められている。
検察庁はその声明の中で、事件や事件前のヴァディム・K容疑者の行動に関する独自の説について述べている。ヴァディム・K容疑者は2019年8月24日からドイツの拘置所で勾留されている。
ベルリンで一体何が?
8月末、ベルリンのティーアガルテンでグルジア国籍のゼリムハン・ハンゴシヴィリ氏(40)が何者かに射殺される事件が発生。犯人は自転車に乗って近づき、ピストルから2度発砲した後、武器を池に投げ捨て逃走。その後、警察は49歳のロシア人を逮捕したが、容疑者は犯行を否認しており、尋問への供述も拒んでいる。
独検察は容疑者のロシア政府との関係を疑っており、捜査は検事総長が指揮を執った。
マスコミはハンゴシヴィリ殺人事件と英国で起きたスクリパリ服毒未遂事件の類似性を指摘している。ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の元大佐で二重スパイのセルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさんが神経剤を浴びた事件ではロシアの関与が疑われているが、ロシア側はこれを断固として否定している。
ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ公式報道官はハンゴシヴィリ殺人事件と「公式的なロシア」との間には何の関係もないことを数度にわたって繰り返してきた。
殺されたハンゴシヴィリ氏は、民族的にはチェチェン人でグルジアへ移住した後、家族を連れ、ドイツへ移民として渡った。第2次チェチェン戦争にはテロリスト側として参戦。独「ドイチェ・ヴェレ」紙の報道によれば、ハンゴシヴィリ氏はロシアではテロの容疑者として2002年から指名手配されている。
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