最初のバグ
厚生労働省は、「COCOA」 を19日15時頃に無料でリリースすると発表した。厚生労働省のサイトではApp Store またはGoogle Playからインストールできると案内されているが、SNSでは大勢の利用者から「COCOA」などのキーワードで検索しても表示されないとの声が上がった。スプートニク特派員がiPhoneを使用している3人の知人に話を聞いたところ、3人全員が「接触確認アプリ」や「COCOA」というキーワードで検索してもアプリを見つけることができなかったという。だが間もなく、コンピューター技術を専門とする多くのニュースサイトが、当該アプリのApp Storeにアクセスできるリンクの提供を始めた。
だがAndroid版はさらに時間がかかった。厚生労働省は20時近くになってようやくAndroid版をインストールするためのリンクを発表した。一方、スプートニク特派員は、本稿執筆時点においても依然としてGoogle Playで厚生労働省が案内する「接触確認アプリ」というキーワードで検索してもアプリを見つけることができなかった。いろいろ試した結果、「アプリ」というワードを削除すると表示されることがわかった。
なぜ「COCOA」の効果は期待できないと指摘されているのか
「COCOA」が効果を発揮するためには少なくとも人口の60%がアプリを利用する必要がある。しかし、厚生労働省が「行政機関や第三者が接触の記録や個人の情報を利用し、収集することはない」と発表しているものの、安倍内閣の支持率低下を背景に、大勢の人が利用者の個人情報の安全確保に疑いを抱く根拠がある。国民に同様のアプリの利用を広く呼びかけ、大規模な導入を試みた他の国々も、システムへの不信という同じ問題に直面した。
さらに、利用者が新型コロナウイルス感染症の陽性者と濃厚接触した可能性があるとアプリが判断する基準も疑問を呼んでいる。厚生労働省によると、陽性者と1メートル 以内で15分以上接触すると通知される。しかし、陽性者と15分以上の濃厚接触があった場合にのみ感染する可能性があるという一般に認められている証拠はない。また本当に1メートルの距離まで接近しなければ感染しないのだろうか?厚生労働省は今後、アプリの機能を改善するためにこの基準を見直すことになるかもしれない。
また、このようなアプリの普及を妨げる可能性のあるより平凡な理由もある。1つ目は、接触確認アプリを利用するためにはスマートフォンのBluetoothと位置情報機能をオンにする必要があるということだ。これはスマートフォンの充電の減りを早めることを意味し、おそらくスマホのアクティブ利用者には適していない。2つ目は、iPhone利用者がこのアプリを使うにはiOSを最新版にしておく必要があるということだ。Apple社はかなり前からアップデートに関しては同社の悪い面を見せており、上級ユーザーの多くは古いiOSを使い続けることを好んでいるため、接触確認アプリをインストールできないということになる。
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