報告では、豚はパンデミック級の新型ウイルスの発生過程で重要なキャリアあるいはいわゆる「混合容器」に当たると強調。豚でインフルエンザウイルスの体型的観察を行うことは、早期警告や次のパンデミックに備えるうえで大変重要な意味をもつと指摘されている。
研究者らによると、中国では2011年から2018年に集中的に豚のインフルエンザウイルス研究が行われ、この間に国内10省で豚の鼻腔から約3万本の粘液サンプルを採取。179株の豚インフルエンザウイルスを確認した。
この研究の過程で、2009年に大流行を招いたウイルス(H1N1)pdm09などの遺伝子を運ぶ新たなインフルエンザ株が最近出現したことが明らかになった。「G4 EA H1N1」と名付けられたこの株は2016年から豚の個体群に広く拡散している。
また、豚を扱う畜産従事者の10.4%(338人中35人)に「G4 EA H1N1」ウイルスに対する抗体があり、特に18歳から35歳の従事者に抗体ができていることが明らかになった。
研究報告では「高度に適応して人間への感染性をもちやすい特徴をすべて有し、パンデミックウイルスが発生する可能性として懸念材料となる」と指摘されている。
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