黒人のキリストを描いた『最後の晩餐』 英国の大聖堂に設置される

英ハートフォードシャーにあるセントオールバンズ大聖堂の至聖所に、イエス・キリストが黒人として描かれたレオナルド・ダ・ヴィンチのフレスコ画『最後の晩餐』をテーマにした作品が設置された。デイリー・メール紙が報じた。
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同作品は、「ブラック・ライヴズ・マター(BLM=黒人の命は大切だ)」運動への連帯をあらわす印として設置された。

先に、英国国教会の最高位聖職者であるジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教は、英国国教会に白人としてのキリストのイメージを再考するよう呼びかけた。

黒人のキリストを描いたこの作品は画家のローナ・メイ・ワズワースさんが2009年に描いたもので、ジャマイカ出身の女性、タファリ・ハインズさんがモデルとなっている。

​ワズワースさんは「専門家たちはキリストはおそらく中東の人たちが持つ外見的特徴を持っていたと考えているが、欧州の芸術家たちは何世紀にもわたって伝統的にキリストを自分たちが想像したように描いてきた。私が描くキリストも、キリストはフィレンツェの人に似ているという考えが正しいとされているのと同じくらい『正確』だ」と語った。

BLM運動は2013年に米国で起こった。黒人少年のトレイボン・マーティンさんを射殺して殺人罪に問われた元自警団員のジョージ・ジマーマン被告が無罪になったことが発端となっている。

この運動は、今年5月下旬に米ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが殺害された後、再び勢いを増した。


米ミネソタ州ミネアポリスで5月25日、アフリカ系米国人のジョージ・フロイドさんが偽造紙幣を使用した疑いで拘束された。手錠をかけられたフロイドさんが、白人警察官らによって道路に押さえつけられる様子をとらえた動画がインターネットに投稿されて以来、ミネソタ州をはじめとする米国のいくつかの州で先週、大規模な抗議活動と暴動が始まった。

現場に駆けつけた警察官の1人はフロイドさんの首を膝で押さえつけ、息ができないというフロイドさんの懇願を無視。フロイドさんは運ばれた市内の病院でまもなく死亡した

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