今回、ツアーの開催された場所は非常に興味深い。アラブ首長国連邦の人工島ヤス島に特設されたUFC「ファイトアイランド」の建設は、2007年に360億ドルを投じて始まった。島にはこの間に観光、娯楽施設が多数建設され、テーマパーク「フェラーリ」、大規模なアクアパーク、ゴルフクラブ、おしゃれなホテルなどが出現しており、近年はUFC主催の総合格闘技イベントではこの島の名が頻繁に挙げられている。
ピョートル・ヤンVSジョゼ・アルド
この試合は若さと経験の戦いとなった。ブラジルのアルドはUFCフェザー級王者の防衛回数では記録保持者。アルドは2015年にコナー・マクレガーに13秒でノックアウトされて以降、成績不振の一途をたどっていた。33歳はまだまだ戦える年齢。本戦、アルドは王座返り咲きを狙ったが、結果から見るとアルドの時代はもう終わった。第1ラウンドでアルドはメリハリのある良い戦いぶりを発揮したが、終盤はロシアの若手ピョートル・ヤン(27)が上をとり、最終ラウンドまでこぎつける前にノックアウトで試合終了となった。この結果、UFC史上2人目のロシア人王者が出現した。
ヴォルカノフスキーVSホロウェイ
UFCフェザー級タイトルマッチでは アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)がマックス・ホロウェイ(米国)を制した。ホロウェイはヴォルカノフスキーに2019年末にフェザー級王者のタイトルを奪われており、今回はリベンジをかけた戦いだったが、ヴォルカノフスキーはなかなかその隙を与えない。同格の戦いは最終ラウンドまでもつれ込んだ。レフリーの判定は分かれたが、最終的にはわずかの差でヴォルカノフスキーに軍配が上がった。
カマル・ウスマンVSホルヘ・マスヴィダル
昨夜のメインイベントのウェルター級。マスヴィダルは今回、数日前のコロナウイルス検査で陽性反応が出たために出場権を剥奪されたギルバート・バーンズ(ブラジル)に代わって急遽、対戦がかなった。マスヴィダルはウェルター級で出場するために9キロ以上の減量を迫られた上に、勝利のチャンスを握るには十分な準備期間はなかい。結果予想通り、マスヴィダルは後半で持続力をなくし、ウスマンに抗うことはできなくなった。レフリーは一致してウスマンの勝利が決まった。ウスマンは2度目の王座防衛に成功した。