アゼルバイジャンとアルメニアはジョージアにも隣接するトヴズ県、およびタヴシュ地方で砲撃の応酬を続けている。アルメニア北西部のタヴシュ地方に置かれた国防省情報局のアルツルン・オワンニシャン報道官によると、アルメニア軍がこれまでに撃墜したアゼルバイジャン軍の無人機は10機に迫るという。中には高額なことで知られるイスラエル・エルビットステムズ製の無人機「ヘルメス900」も含まれている。
また、アルメニア国防省によると、アゼルバイジャン軍はこの戦闘で戦車や曲射砲に加え、ソ連で開発された多連装ロケット砲BM-21「グラード」(霰)も投入している模様。
これに対しアゼルバイジャン側は多連装ロケット砲の使用を否定しており、アルメニアによる情報操作として批判している。
アゼルバイジャン側の情報によると、これまで前線で指揮を執っていた司令官を含む11人が戦死している。
アゼルバイジャンの首都バクーではアルメニアに対する反感が高まっており、軍の行動を支持する無許可のデモが大統領官邸前で実施された。リアノーボスチ通信の特派員によると、このデモには1000人以上が参加していた。
一方、アルメニア側は兵士2人の死亡に加え、5人が負傷したと発表している。アゼルバイジャンとアルメニアは戦闘勃発の引き金を引いたのは相手国として、互いに批判を強めている。
関係各国は懸念を表明し、対話を進めるよう要請している。ロシア外務省はこの事態を受けて、両国の関係改善に向けた支援を行うとしている。
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