訴えを起こしたのはエリス・ホールさん。2019年6月3日、エリスさんは夫のデヴィッドさんが銃を手に自殺を図ろうとしたため、警察に通報した。当時デビッドさんは処方された薬の服用を止めた後、鬱状態になり、自殺願望が強まっていた。
WMCが訴状を引用して報じたところによれば、通報で到着したのは通常、自殺を図ろうとする市民の元に駆け付ける緊急支援グループではなく、特務班だった。オスティン・ウェイスペックと名乗るオフィサーはデヴィッドさんに銃を捨てるよう命じ、そのわずか4秒後にはデヴィッドさんを射殺した。
被告のカラーヴィル市政府とオスティン・ウェイスペック警官側の弁護を引き受けたエドワード・マッキンニー氏は、特務班が駆け付けた時の デヴィッド・ホール氏は周囲の人間に危害を与えかねない状態にあったと主張している。デヴィッド氏は妻が警察に通報したことに激怒し、銃を手に妻に詰め寄り、銃を捨てろという命令に反応しなかった。
米国では5月末、警察による暴力と人種差別に反対する激しい抗議行動が始まった。全米に広がった抗議行動は、警官の横暴でアフリカ系米国人のジョージ・フロイドさんが絞殺されたことがきっかけとなった。