世界最大の糖尿病研究センターである米ボストンのジョスリン糖尿病センターの内分泌学者と独ラントシュトゥール地域医療センターのドイツ人研究者ら、韓国ソウルの慶煕大学校の研究者らが、糖尿病予備軍を対象にシナモンのサプリメントが血糖コントロールに及ぼす効果を調べる臨床試験を無作為に実施した。
この試験によって研究者らは、シナモンのサプリメントが空腹時の血糖値を下げ、炭水化物を多く含む食事に対する体内の反応を改善させることが分かった。つまり、シナモンが糖尿病予備軍となる要因を解消させることを意味する。シナモンの忍容性は良好で、アレルギー反応や副作用が出た参加者は1人もいなかった。
論文の第一著者であるジョスリン糖尿病センターのジュリオ R. ロメオ氏(医学博士)は「我々の研究によって、食事にシナモンを取り入れることは、糖尿病予備軍の参加者の血糖値の安定的な維持に有効であることが分かった。この結果はシナモンが2型糖尿病の発症リスクを長期的に低下できるかどうかを判断するために、より長期的で、より広範囲の研究を行うための土台を提供している」と述べている。
研究者らによると、米国には血糖値が常に正常値を超えている糖尿病予備軍が9000万人いる。この血糖値の状態では2型糖尿病を発症することが多く、肥満から不妊症、関節や骨の病気、さらにはホルモンに関するがんなど多くの健康問題を引き起こす。
糖尿病予備軍にとって血糖値をコントロールすることは特に重要であり、研究者らは適切な血糖値を維持するのに役立つ食品を常に探している。糖尿病予防に医薬品を使用しない方法を見つけることは、非常に重要だという。
この研究は、内分泌学と代謝の学問領域において世界で最も古く、最大の国際機関である内分泌学会と、韓国保健社会福祉部の支援を受けて実施された。