これまで他にも有名なフィギュアスケート選手たちがトゥトベリーゼ氏との師弟関係を解消してきたが、それらは予測可能だったためこれほど大きな反応を引き起こさなかった。トゥトベリーゼ氏の指導を受けていたエフゲニア・メドベージェワは同門のアリーナ・ザギトワがオリンピックで優勝したことに苦しみ、アレクサンドラ・トルソワはトゥトベリーゼ氏の教え子「ロシア3人娘」の3番目でいることに疲れ、それぞれトゥトベリーゼ氏のもとを去った。
しかしトゥトベリーゼ氏は沈黙せず、これまでに教え子たちが共同作業を続けるために提示した要件についてインスタグラムに投稿した-
「かつてユリア(リプニツカヤ)はジェーニャ(メドベージェワ)と一緒に氷上に出ないという要件を提示しました。私たちはすべての条件を満たそうと努力しましたが、助けにはなりませんでした。その後、ジェーニャがアリーナ(ザギトワ)と一緒に滑ることを拒否しました。そして今、アリョーナからノン・グラータの女子選手(編集注:コストルナヤが同時の練習を拒否)の長いリストを受け取りました。そこで私たちは彼女と別れました... 私たちは自分たちの選手育成システムを変更するのでしょうか?いいえ。私たちは全てを正しく行っています。」
スプートニクは、ロシア功労コーチのインナ・ゴンチャレンコ氏に現在の状況についてコメントを求めた。
ゴンチャレンコ氏は、シーズンがすでに始まっているため、コストルナヤのコーチ変更がどのようにして可能になったのか疑問を抱いていた-
「規則によると移籍期間は5月31日に終了します。コストルナヤは実際に稼働している代表チームのれっきとしたメンバーであり、一定の義務があります。コストルナヤはすでにチームの合宿で練習し、そこで新しいプログラムが与えられました。私はその一部を見ました。他の選手と曲が被らないようにするため、彼らはインターネット上にプログラムの一部を意図的に公開しているからです。それなのに突然、この奇妙なニュースが報じられました。アリョーナがチームの他のメンバーと一緒に練習することを望まないということについては、アリョーナは自分が公共のスケートリンクにいるわけではないこと、またコーチは選手一人一人の気分に合わせることはできないことを理解しなければなりません。」
ゴンチャレンコ氏はコーチを変更する権利があることを認めているが、これは期間中に行われなければならないと強調している-
「私の考えではアリーナはコーチ陣と彼らの仕事を侮辱しました。彼女を押しも押されぬ本物のアスリートにし、新しいシーズンですでに彼女とたくさんの仕事をした人たちを。」
コストルナヤの新コーチのプルシェンコ氏がコストルナヤの移籍後にも衝撃的な出来事が続く可能性を示唆したため、トゥトベリーゼ氏のチームをめぐる状況はさらに不安を起させている。そして何よりも重要なのは、プルシェンコ氏の「エンジェル・オブ・プルシェンコ」チームに次のオリンピックで今すでにロシアの希望とみなされ期待されている優秀な選手、またはそうなると思われる選手たちが加わり続けていることだ。
スポーツ心理学者のオリガ・ティウノヴァ氏は、「最優秀コーチから最優秀選手の移籍」をめぐる大騒ぎが巻き起こっているが、トゥトベリーゼ氏のチームはその利点を失うことはないと考えている-
プルシェンコ氏の教え子たちは、まだ国際大会で大きな成功を収めていない。トゥトベリーゼ氏が指導したスター選手たちは、プルシェンコ氏の天使として輝き始めるのだろうか?スポーツではコーチや選手のスキルだけでなく、運も必要だ。そこには良い指導者とめぐり合う運も含まれる。トルソワとコストルナヤは最初のコーチ選びで成功したが、その後、そのスポーツキャリアで大きな方向転換をした。新型コロナウイルスを巡る状況が落ち着き、大会が再開されるのが待ち遠しい。