安倍首相が突然、辞任の意向 日本はどうなる 日本人政治学者の見解 

28日、日本の 安倍首相が病気を理由に辞任の意向を固めたというニュースが世界を駆け巡った。安倍氏は先日、歴代最長の連続在任日数を樹立したばかり。問題山積の今の日本に、突然の首相辞任は打撃とはならないのだろうか。日本の政界はこの先、どういう展開を見せるのだろうか。明治大学政治経済学部の西川 伸一教授は、スプートニクからのこうした問いに次のような回答を寄せている。
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スプートニク:安倍首相の辞任は、新型コロナウイルスによる五輪延期、経済への深刻な打撃など様々な問題を抱える今の日本に打撃とはなりませんか。

西川教授 「コロナ禍はまさに『国難』とも言うべき事態で、ここで国のトップが変わるのは無責任の非難を免れません。プライドの高い首相がその非難を甘んじて受け入れざるを得ないほど、体調は極度に悪化していたと推測します。」

スプートニク:安倍氏辞任から首相交代までの展開の構図とその時期はどうなりますか。

安倍首相、辞任の意向
西川教授「順当に行けば『チーム安倍』を支えてきた菅官房長官の『昇格』でしょう。自民党党則によれば、6条2項前段により『公選』、つまり総裁選挙を実施して新総裁を選出することになりますが、緊急の場合は6条2項後段(ただし書き)により『党大会に代わる両院議員総会』で選ばれることになります。政治的空白は避けたいので、後者になるのではないかと予想します。週明けには行われて、新総裁選出⇒臨時国会召集⇒首相指名という段取りです。
また、党則80条3項により、今回のように任期途中で総裁が欠けた場合、新総裁は前総裁の任期の残任期間しか務められません。いいかえれば、来年9月にまた総裁選が行われるということです。」

スプートニク: これまでの安倍政権をご自身はどう評価されますか。安倍首相は国民にどういうリーダーとして記憶されるでしょう。

西川教授 「 中身はともかく、日本の憲政史上最長の在任記録を打ち立てたのですから、その『打たれ強さ』は評価に値します。一方で、憲法解釈変更という手段で集団的自衛権行使を可能にする、憲法に規定されている要件を野党が満たしても臨時国会を開かないなど、憲法をないがしろにする姿勢は強く批判したいと考えます。そして、『ほかに適当な人がいないから』という消極的支持で長く居座ることができた、日本を右傾化させた『リーダー』として記憶されるのではないでしょうか。もう一つ。辞任する前に辞任に追い込めなかった野党のふがいなさを痛感しています。


安倍首相は連続在任日数で日本憲政史上最長の記録を持つ。安倍氏は2012年に2度目の首相就任を果たし、2020年8月24日で首相としての連続在任日数が2799日となった

しかし2020年08月28日、安倍首相は記者会見で辞意を表明した。安倍氏は21日の通院の診断結果で持病の「潰瘍性大腸炎」の悪化 が確認されたことから辞任の意向を固めた。

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