日露の平和条約締結ならず 安倍氏「断腸の思い」

28日の記者会見で首相職の辞意を表明した安倍氏は、 「ロシアとの平和条約を達成しないまま、志半ばで職を去ることは断腸の思い」と語った。
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安倍氏は北朝鮮の拉致問題の解決とならんで、ロシアとの平和条約締結について、「国民に対して約束したこと」だったと在任中に果たせなかったことへの無念さを示した一方で、「新たな強力な体制の元、新たな推進力を得て、実現に向けて進んでいくもの」との確信を表した。

領土問題が枷となり、戦後70年以上も放置されてきたロシアとの平和条約の締結は、安倍氏の悲願だった。2016年12月にはプーチン大統領を自分の故郷の山口県長門市に招き、通訳以外の側近を排した首脳会談を開いた。この会談を機に、露日関係は次第に親密さを増し、クリミア危機以来、停滞状態にあった外交、民間の交流がさかんになっていった。

両首脳はその後もなんども会談を積み重ね、互いに信頼関係を築いていった。安倍氏は歴代の日本の首相の中で初めて、今年2020年5月9日の戦勝記念式典への列席を予定していたが、コロナ禍対策で追われる中、実現は叶わず、電話でプーチン大統領を祝福した。また先月7月にも日本維新の会 の鈴木宗男衆院議員との会談で、ロシアとの領土交渉をめぐり、「 新型コロナウイルス感染を早く収束させ、次の首脳会談を考えたい」と述べていた


安倍首相は連続在任日数で日本憲政史上最長の記録を持つ。安倍氏は2012年に2度目の首相就任を果たし、2020年8月24日で首相としての連続在任日数が2799日となった。

しかし28日、安倍首相は記者会見で辞意を表明した。安倍氏は21日の通院の診断結果で持病の「潰瘍性大腸炎」の悪化 が確認されたことから辞任の意向を固めた。

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