中国大手銀行、10年ぶりの大幅減益

中国の大手銀行は、不良債権の増大と経済回復に対する政府への支援を背景に、約10年ぶりに大幅な減益となったとの報告を行った。
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総資産および営業収益で世界一位となっている中国工商銀行(ICBC)、中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行の各行の発表によれば、2020年上期の収益はそれぞれ10%減少した。

中国工商銀行の貸倒引当金の増加率は27%、国内4位の中国銀行ではこの指標は97%に達した。

欧州経済は緩やかに回復の兆し=ブルームバーグ
中国工商銀行今年上期の純利益は11.4%減少し、昨年の1,679億元(およそ2兆5,956億円)から1,488億元(およそ2兆2,870億円)となった。

また中国建設銀行の純利益は1,542億元(およそ2兆3,830億円)から1,376億元(およそ2兆1,272億円)に、中国農業銀行は1,214億元(およそ1兆8,768億円)から1,088億元(1兆6,821億円)に、また中国銀行は1,140億元(1兆7,626億円)から1,009億元(1兆5,601億円)にそれぞれ減少した。

さらに公式発表によれば、中国の銀行部門全体の純利益は6ヶ月ぶりに年間計算で4.9%減少した。

中国政府は6月に各銀行に対し、金利の引き下げ、手数料の減免、返済猶予、無担保融資額の引き上げなどを目的に15兆元(およそ232兆円)の融資を呼びかけていた。

これを受けて、銀行は1月25日以降の融資返済の猶予を認めるとしたが、その後、この措置を2021年3月31日まで延期することを発表した。


第1四半期の中国経済は新型コロナ感染拡大の影響を受け6.8%のマイナス成長となった。マイナス成長は1992年以来はじめて。中国政府はパンデミックとその経済影響を考慮し、2020年のGDP成長目標を設定していない。成長目標は例年、全人代開会時に李克強首相が年次報告の中で掲げるが、今年は設定しないとの表現にとどめるだけだった。

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