男性は毎日鳴り響く警告音に最初こそ苛立ちを覚えたものの、妻のアドバイスがきっかけでこの状況を楽しむように。そのアドバイスとはずばり、コンクリ―トの上にチョークでレーストラックを描くこと。少年に直接注意するよりも、毎日の日課を楽しんでもらおうと考えた。
レーストラックを準備した翌日、いつものようにやってきた少年はすぐにその存在に気付き、早速自転車に乗ってコースをトライ。いつもは一周するだけだったが、このレーストラックが気に入ったのだろうか、この日はもう一周して去っていた。
男性はその後も雨が降るたびにレーストラックを描きなおし、時には微妙にコースを変えるなどして少年を楽しませ続けた。
しばらくすると、この少年だけでなくほかの子どもたちもやって来るようになった。さらには子どもだけでなく、通りすがりの大人たちまでレースに参戦。いつの間にか男性の玄関前は近所の人気スポットになっていったのだ。
男性はこの一連の出来事について、「退屈なパンデミック中の夏を最高のものにしてくれた」と語っている。