先に「国家医療院」のロシャリ会長はドイツと共同で専門家チームを結成し、ナワリヌイ氏の対応にあたることを提案していた。
ロシャリ会長は、ナワリヌイ氏の体調異変について原因は未だ解明されていないものの、ロシアの医師らは最善を尽くし、危険から命を救ったと指摘した。さらに、ロシアで行われた検査で毒物は発見されなかったが、ドイツの医師らは何かの物質を発見したと指摘した上で、医療現場に政治を持ち込むべきではないと強調した。
これに対し、ナワリヌイ氏の妻、ユリアさんはインスタグラムに投稿し、「あなたは夫の治療にこれまでも関与しなかったし、現在も、そしてこれからも関与することはない。あなたは医師としてではなく、政府の声として発言を行っている」とコメントした。
さらにユリアさんは、「わたし自身、医師ではないが、この数週間、数多くの医療文献を読み、確認されていた症状は医学書に書かれている通りのものだったということは私にでも分かる」と綴った。
アレクセイ・ナワリヌイ氏に何が起こったのか
野党党首のナワリヌイ氏は8月20日にトムスク(西シベリア)からモスクワに向かう途中の飛行機内で体調が悪化。飛行機はオムスク市に緊急着陸し、同氏は病院に搬送された。その後直ちに人工的昏睡状態に置かれ、現在もその状態が続いている。当初44時間はオムスク市の病院で処置が施され、体調悪化から2日後にドイツ「シャリテ」病院に移送された。独の医師らはナワリヌイ氏の体調悪化の原因はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤によるものと断定。一方、オムスクの医師らは中毒について言及していない。ナワリヌイ氏陣営は、同氏の社会的活動を理由にロシア当局が殺害を試みたと非難している。