日本外務省によると、日本は「事故再発防止のための海上航行安全システム、油流出事故に関する初動体制の強化等への協力」、「汚染された環境の回復のためのマングローブ林保全・再生の専門家派遣、サンゴ礁等の環境モニタリング、生態系の再生等への協力」、「地域住民、特に零細漁業者の生計回復のための漁業関連資機材の提供や沿岸漁業振興協力」などについて協力を進めていく考え。またモーリシャス経済の回復・発展を後押しするための協力を検討したい旨や、貿易投資セミナーの開催や観光・貿易を促進するための官民合同ミッションの派遣などでも協力したい意向を伝えたという。
ジャグナット首相は今回の事故について、日本の責任とは考えていないとし、国際緊急援助隊の派遣などの協力に対して感謝の意を示したという。
9月2日、モーリシャス沖で座礁した「わかしお」から流出した重油の回収を支援する国際緊急援助隊の専門家チーム第3陣が日本から出発した。第1陣は8月10日に出発、第2陣は8月19日に派遣された。
南アフリカのニュースサイト「インディペンデント・オンライン」は9月2日、モーリシャス当局の公式書簡を引用し、モーリシャス当局が日本に対し、重油流出で被害を受けた漁師たちに13億4000万モーリシャスルピー(約3400万ドル)を支払うよう求めたと報じた。 約4000トンの油を積んだ貨物船「わかしお」は7月25日、自然保護区「ブルーベイ」にも近いモーリシャス沖で座礁。8月5日には亀裂から約1000トンの重油が流出していることが確認された。モーリシャス政府は8月6日、環境非常事態を宣言した。モーリシャスの環境保護団体「モーリシャス野生生物基金」は、自然環境の回復には数十年かかる可能性があるとの危機感を示している。