米海兵隊のジョセフ・スコット・ペンバートン受刑者は2014年10月、軍事演習で滞在先のフィリピンのバーで知り合ったトランスジェンダーのジェニファー・ロードさんを殺害。懲役10年の判決が言い渡され、同国ケソン市のキャンプ・アナギルド軍事刑務所で服役していた。
フィリピンの地方裁判所は先週、ペンバートン受刑者の態度が模範的だとして仮釈放の資格があると判断した。この件を知ったドゥテルテ大統領は閣議会議後、同受刑者の恩赦を決定した。
フィリピン法律家組合のエドレ・オラリア事務局長は、同受刑者の恩赦は明らかに政治的判断によるものであるとフィリピン政府を批判した。フィリピンには「訪問米軍に関する地位協定」が存在し、米軍の軍用機や艦艇の自由な入国や、米軍人に対するビザ制限が緩和されている。APF通信によると、フィリピンでは長年、米軍基地の撤退を求める動きがあり、今回の恩赦によって反米感情が再燃している。
今回の恩赦は、ドゥテルテ大統領が2016年以降、米国と距離を置き、中国との関係を重視している中で行われた出来事となった。
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