今回開発された「モニタリングシステム」は、センサーが体温、血中酸素濃度、血圧、心拍数のデータを集め、その指標をもとに新型コロナウイルス感染の判断を行う。研究チームによると、開発のきっかけとなったのは、医療従事者に対して30分おきに患者の体温、血中酸素飽和濃度を測るよう義務付けられていることだった。
センサーが設置されている材質は柔軟で耐水性があるという。ここにブルートゥース(Bluetooth)発信機が内臓され、スマートフォンアプリにリアルタイムでデータを送信することも可能。システム一体を使い捨てあるいは再生利用マスクの頬が触れる部分に縫い付けることができる。理論的にはチップを備えたマスクは洗浄し、繰り返し使うことが可能。
研究チームは9月末までに同システムの臨床試験を実施する予定。将来的には市場販売も期待している。システム単体の製造コストはラボ環境で約50シンガポールドル(約36.5米ドル、約3870円)だが、大量生産できればマスク1枚あたりの価格は約20シンガポールドル(約14.6ドル、約1550円)になるという。
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