日本、ナゴルノ・カラバフ紛争に「深刻な懸念」 対話の実施を求める

日本の加藤官房長官は1日の記者会見で、南コーカサスの未承認国家「ナゴルノ・カラバフ共和国」をめぐるアルメニアとアゼルバイジャンの軍事衝突で民間人を含む人的被害が出ていることについて「深刻な懸念」を表明した。
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ナゴルノ・カラバフ衝突にシリアからの戦闘員が参加している=駐ロシア・アルメニア大使
加藤官房長官は記者会見で、ナゴルノ・カラバフをめぐって大規模な紛争が起こり、多数の死者が出ていることについて日本政府としての受け止めや、これまでに日本政府が取ってきた対応について質問を受け、「我が国としては今般の軍事衝突、そして民間人を含む人的被害の発生に深刻な懸念を表明する」と述べた。

また加藤氏は「すべての当事者に対して軍事行動の即時停止、最大限の自制及び対話の実施を求める」と述べたほか、「引き続き現地の状況を注視し、しっかりと現地情勢の情報収集に努めていきたい」との考えを表した。

9月30日、ナゴルノ・カラバフ共和国のアライク・ハルチュニャン大統領はブリーフィングの中で、「長期的戦争に備えなくてはならない」と国民に呼びかけた。

ナゴルノ・カラバフの状況

アルメニアとアゼルバイジャンの国境に位置するナゴルノ・カラバフの状況は9月27日に緊迫化し、紛争地域で活発な戦闘が繰り広げられている。アゼルバイジャンとアルメニアでは戒厳令と軍事動員が発表された。両国とも民間人を含む死傷者が出たと発表している。アゼルバイジャン政府は、カラバフのいくつかの村と複数の戦略的高地を支配下に置いたと発表した。また、アルメニア政府は、ナゴルノ・カラバフ国境から離れた場所から砲撃を行なっていると明らかにしている。

ナゴルノ・カラバフ紛争は、ナゴルノ・カラバフ自治州が1988年2月にアゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国からの離脱を表明したことから始まった。1992年以降、ロシア、米国、フランスの三ヶ国が共同議長を務めるOSCEミンスク・グループの枠組みの中で同紛争の平和的解決に向けた交渉が行われてきた。

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