キッシンジャー氏は米ソの雪解けの政策シナリオを書いた人物のひとり。今まで幾度にもわたって米政権は絶対的なヘゲモニーを行使する政策を捨てるよう呼び掛けてきた。1973年にはベトナム戦争の和平交渉を終結させたことを評価され、ノーベル平和賞を授与されている。
キッシンジャー氏は、米中は緊張エスカレートのリスクを回避するために「プレーのルール」を取り決め、これを順守せねばならないと説明している。
「これは絶対にできないとあなた方はおっしゃる。だがこれが絶対無理であるならば、第1次大戦に似た状況に陥ることになる。」
キッシンジャー氏は米ソ雪解け時代に米国務長官を務めた経験から、米中が新たな「冷戦」を始めかねないことへの憂慮がますます増大していると語った。
キッシンジャー氏は、今の世界で米国に必要なのは新たな思考であり、「経済においても戦略分野でも1つの国がヘゲモニーを維持し続けるには世界はあまりに複雑」だと認識することだと指摘している。
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