インド 世界一裕福な寺院を閉鎖 寺院内で感染拡大

インドのケララ州政府は、同州にある世界的に有名なヒンズー教のパドマナーバスワーミ寺院を10月15日まで閉鎖することを決定した。閉鎖の理由は、同寺院で働く12人が新型コロナウイルスに感染したため。
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パドマナーバスワーミ寺院は世界で最も裕福な寺院としてギネスブックに登録されている。寺院は宝物殿に金銀宝石で出来た装飾品など、ヴィシュヌ神へ捧げられた高価な寄進物が収められていることで有名。これらは試算で数百億ドルにも達するとされている。

​パドマナーバスワーミ寺院のラティシャン執行役は地元のNDTVテレビからの取材に、「コロナウイルス検査の結果、首席の僧2人、8人の補佐役、2名の警備員に陽性反応が確認されたため、こうした決定が下された。全員ともコロナの症状はない」と語っている。

経済的損失が大きすぎる インド、新型コロナ感染増でも制限措置を緩和
パドマナーバスワーミ寺院は3月末の入場禁止以来、およそ5か月ぶりに8月26日に再び門戸を開いたばかり。感染拡大の防止策として、訪問する信者にはマスク着用、手の消毒、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の順守、神の像、壁など物品の表面には触れないなど厳格なルールがしかれているほか、参拝者の数も制限されてきた。

コロナウイルスの感染者数ではインドは世界で2番目に多い。最新データでは感染者総数は690万人を超えている。完治者は590万人、入院者数は89万3000人、死者は10万6000人を超えた。インド保健省は、過去3週間で完治した人の数が新規感染者数を上回っており、新規感染者数自体が減少したことを明らかにした。一方で暦の上では全国規模の祭日が続くため、一連の州で再び感染が拡大する恐れがあるとして、引き続き警戒を呼び掛けている。

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